東北ツーリングの2日目(最終日)。
(1日目の記事:東北ツーリング まとめ(1/2))
昨晩は無風で、秋の虫の声が心地よく快適だったのだが、明け方から風が強くなってきてテントがバタバタと揺れるのと、最上川沿いの湿気のせいなのか夜露がすごくて、テントの内側に染みてきて、ポタポタ。
このまま横になっていても眠れそうになかったので、4:30ぐらいにテントから出て、キャンプの朝の儀式としてのコーヒーを淹れる。まだほの暗いのでヘッデンを点けての作業。
かすかに見える最上川の川面と、ものすごい勢いで回っている風車を見ながらコーヒーをすする。美味い。
Z1-Rについた夜露を拭いてから荷物を搭載して出発の準備は完了。
最初の目的地は鳥海山。
映画「おくりびと」で何度も映る、四季折々の鳥海山が印象的で登山口まで行けそうなので寄って見ることに。
R345で鳥海山を右手に北上。実況4のあたり。
県道210の鳥海ブルーラインで登山口を目指す。左の写真がブルーラインに入ってすぐのところ。
これから始まるワインディングを彷彿とさせる、先へと続く道のアールが何とも言えずワクワクさせるので、バイクを降りてパチリ。
登山口付近の大平山荘で撮ったのが左の写真。正面に映るのが鳥海山。ここら辺が山形と秋田の県境で、道端のポールに記載されている文字も秋田に変わった。
下りの鳥海ブルーラインの眺望も抜群で、男鹿(おが)半島まで見える。
日本海に浮かぶ島が、この日は海と空の境目が溶け込んでいて、宙に浮いているように見える。走りながら何度も何度も見てしまう。
今調べたら、名前が飛島。名づけた人は、「浮いて」じゃなくて、「飛んで」見えて、飛島とつけたんだろうか。すごい不思議な光景だった。
鳥海ブルーラインから県道58に入る。
この道も素敵で、急に写真のようなブナの原生林の中を走れる道が現れる。
この道は鳥海山を北側から眺めることが出来る。北側からの眺望は断崖が続き、南側からの緩やかな景色とは一線を画す印象だった。
走っていると、腰に竹で編まれた籠を着けた年配男性が道路脇の林から出てくる光景に2,3回遭遇。キノコや野草が採れるんだろうな。一緒に入山したい衝動にかられる。楽しいんだろうなあ。
県道58を終点までいってR108で内陸を北上。
今回の旅は、マイナーな県道、国道もなるべく3桁国道を選んだ。歩みは遅いが、バイクに乗っていること自体が旅の目的に出来て、楽しくて仕方がなかった。
しかし、R108から北上するとなると、R7を選択するのが自然で私もそうした。そして、ここで心が折れた。
最初は海沿いの景色も新鮮だったのだが、交通量も多く、長い一本道とすり抜けが、なんだか修行のような気がしてきて、直前の素晴らしい道と比べると、面白くないのだ。
当初の目的では、このまま八郎潟まで行って、能代、白神山地を抜けて竜飛岬まで行く予定だったのだが、八郎潟で一度再検討することに。
お昼を食べながら検討しようと、ツーリングマップルを見ると、八郎潟の手前の五城目町にきりたんぽ発祥の地、老舗の料亭松竹がレコメンドされているので行ってみることに。
このツーリングマップルには、今回とても助けられた。ただの地図ではなくて、バイクのツーリング目線の上記のようなレコメンドが随所に散らばっていて非常に使い勝手が良い。ロングツーリングのマストアイテムにタンクバックとツーリングマップルはもう欠かせない。
料亭 松竹は趣のある街並みの中にあり、店内はとても綺麗で落ち着いたお店だった。
きりたんぽ鍋は一人前からすごいボリュームで美味しかった。
入店した11:00過ぎは、お客がまばらだったが、私が食べ終わった頃には多くのお客で賑わっていた。地元の年配の方が多く、独特のイントネーションの方言で楽しそうに会話していて、かなり和んだ。
今後の予定については、地図をみながら検討した結果、明日以降の天気が下り坂なのと、竜飛までの海沿いの一本道にどうしても乗り気になれないので、八郎潟まで行って帰ることに決定。
大満足の松竹を後にして、八郎潟へ。実況5のところ。
効率的に区画整理のされた八郎潟のスケールは想像以上で、走っても走っても先が見えてこない道は他ではあまり経験できないものだった。
地図に日本一低い山があるとのことで行ってみたのが左の写真。人口の陸地で山ってのもアレだけど雑学の足しに一応掲載。。
八郎潟を満喫して未練なく帰路へ。目の前に秋田自動車道があり、これに乗れば東京まで上でいけるようだ。長い道程だが便利だ。13時ぐらいに出発。
高速にのってすぐに睡魔が襲ってきて、これは東京までは耐えられないと、なんとか太平山PAに滑り込む。写真のベンチ(というか、私にはベッドに見えた)に倒れこむように寝転がり、泥のように眠る。この日は陽射しも暖かくて1-2時間寝て体力回復して出発。
長い長い道のりをひたすら走り、岩手、宮城、福島とパスしていく。
GSのレシートを見ると、岩手の前沢SAで16:50。福島の国見SAで18:46。
所々で酷い渋滞が発生。止まりそうな速度で動いている車を尻目に無心ですり抜け。
この日最大の渋滞が白河から宇都宮までの45kmの渋滞。
完全に止まっている車の間を、速度を落として走っていると、同じくすり抜けをしているバイクが前に。
「なんか見たことあるテールランプ」と思ったら、この旅で初めてZ1-Rに遭遇。
とても綺麗でノーマルライクなルックスの車両だ。
自分と同じバイクが目の前を走っている光景にテンションがあがってしまい、後ろから車両を見ながら走っていると私の存在に気が付き走行車線に入ってくれたので挨拶を交わして2台で並走しながら会話。渋滞だからできる技だ。
渋滞に辟易としていたところでのこの出会いは嬉しかったし楽しかった。残りの道程の安全を言葉に込めて挨拶を交わし別れる。
いい出会いだなあ。と余韻に浸ってtripメーターを見ると給油のタイミングだったので、上河内SAに寄り、給油していると先ほど、お会いしたZ1-Rが入ってきて声をかけて頂いた。
車両を見ながら会話をしたかったのが、Z1-Rの小さいタンク容量のお陰で実現できた。
上と左の写真2枚とも右側が今回出会った「群馬!さん」のZ1-R。
アンコ抜きされていないシートが無茶苦茶かっこいい。
左の写真のサイドカバー近くにサドルバックがついていて、ここにガソリン携行缶が入っているそう。これはスマートでいいなあと感じた。
このブログの存在をお話したところ、実況6で早速コメントして頂いた。ありがとうございます。いつかまたお会い出来ると嬉しいです。
同じバイクに乗っているだけで会話をするきっかけになる。素敵だ。
2度目のお別れをしてラストスパート。疲れもピークが近い。上河内SAで21:26。
途中、雨に降られるも酷い渋滞は解消されてスピードアップ。実況のオチをつけようと東京の名所を最後にエントリしたいなあと思案し、東京タワーに決めて目指す。
撮った写真が実況6で、これを撮った瞬間に東京タワーのライトアップが消えた。時間を確認すると0:00。いろいろオチがついて、東北ツーリングは終了。
ツーリング距離:1430km(1日目:540km。2日目:890km)
燃費:17km/l
ガス:137円/l
燃費が直近のツーリングに比べると1km/lほど伸びた。道中も給油量から、いつもより燃費がいいなと感じ、エアクリーナーエレメントの交換の効果が燃費に現れたのかなと。
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いいですね、PAの木のベッド。昨晩の不眠のカタキをとったってところですね。
きっと通行人のみなさんも面白がってくれたと思いますよ(笑)
来週も行きますか?
>ケビンさん
あのベッドのおかげで帰ってこれました。笑
二日間でこの行程を楽しめると分かったのは収穫です。普段もっと足を伸ばしてみるいいきっかけになりそうです。さすがに来週はいかないですが。。
楽しく読ませてもらいました。 おもしろいですね出会いって。愛機Z1-R達もまさか30長年生きながらえて母国日本で会うなんて思ってなかったでしょうね。
サドルバッグの携帯缶はホントは少し不安です。何かあった時ヤバそうですからね。 以前の記事も読ませてもらいました。自分のZ1-Rの場合、ガソリンは9リッターでリザーブに入り、そして4リッターで鉄の塊と化します(笑)リザーブで、街乗り約35ml前後。50〜60kてとこでしょうか。底つくまで走っても約200kなんて…かなすい!
スタンドのある所をグルグルして実験しました。最後、50m位押したけど(汗)そして、ハイオクチヤーージ!13L強入りました。パテ埋めもなかったようで(笑) 把握してからは結構強きですよ!
あっ! それとシート。スポンジと表皮、確かリプロ出てるはずだと思いましたが、燃料と共に確認済みかな? 把握してたらすみません。
お互い、少しでも愛機が元気いられるように、そして安全運転でいきましょう。
また、お邪魔させてもらいます。
Z1R2台でのランデブー。いいっすね~。
やっぱりいい形、色、そしていい音ですよ。
ああ、一泊でどこかへいきたい~。
そうそう、キャンプの夜は小さなラジオ持参してローカル放送聴いてました。
大昔ですが、青森県(だったかな?)種差海岸でキャンプした時、台風直撃一睡もできず浸水、雨漏り、テントはとばされそうになるわで、心細い夜を過ごしたことがあります。
ちょっとした物音にも敏感になってなかなか眠れないもんですわ~。
>群馬!さん
出会いはおもしろいですね。高速道路で出会って、こうやってまた気軽にコミュニケーションが取れる。いい時代だなと思います。
タンクの容量、詳細までリサーチ済みなんですね。私はそこまでしっかりと調べたことがありませんでした。確かに、パテ埋めの有無で容量がだいぶ変わってきそうですね。
正確に把握しておくとリザーブになっても冷静に対応できますね。今回の旅で何度かリザーブで山の中を走ってドキドキしていたので私もタンクの正確なデータをとってみようと思います。
シートはリプロが出ていますね。革張りした完成品を見たいなと思っているのですがなかなか機会に恵まれず、購入の一歩が踏み出せないでいます。笑
> お互い、少しでも愛機が元気いられるように、そして安全運転でいきましょう。
> また、お邪魔させてもらいます。
はい。安全運転でZ1-Rと長く付き合っていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします!
>Z1000Jさん
Z1-Rが走っているところを客観的に見る機会が、あまり無いのでテンション上がってしまいました。
おお。キャンプの夜の過ごし方。ラジオは良いですね。
実はAM深夜ラジオのへビィーリスナーで、ipodの中身は録音したラジオ番組がほとんどです。
今回も地図を見ながら、録り溜まった番組に耳を傾けていました。
とはいえ、一人寂しいキャンプの夜はライブでローカル放送を聴くほうが面白そうですね。次回はラジオを持参してみます。
台風直撃ですか。。ものすごい体験をしているんですね。私のテントは、夜露ですらポタポタと雫が中に落ちてくるので小雨でも寝てられないなあと思いました。
> ちょっとした物音にも敏感になってなかなか眠れないもんですわ~。
そうなんですよね。風の仕業と思い込むことにしてますが、人の気配をものすごく感じたんですよねー。。
おおっZ1-Rランデブーになってるじゃー無いですか。
自分のブログでもそんな記事書きましたが、偶然に居並ぶのってサプライズですね。
造形美というに相応しい単車なので一台でも二台でも良い形には変わらないです。
シートのリプロパーツは自分も持ってます。
そろそろ交換せんとねー。
>KAZさん
偶然の出会いは、蓄積された疲労を吹っ飛ばしてくれました。
普段は視界に1台しかないものが2台あるのは不思議な光景でした。ミーティングとか行けば当然の光景でしょうが、予期せぬ2台は嬉しかったです。
> シートのリプロパーツは自分も持ってます。
おお。純正と比べて、どんな質感ですか? とても興味があります。