KAWASAKI Z1-R log

八ッ場ダムを目的地にしたのは、群馬でZ1-Rに乗っているGUMさんとやりとしたLINEがきっかけ。

GUMさんとは年に数回、近況を交換している。

数年前にGUMさんが八ッ場ダムの予定地にツーリングに行った報告をくれた。

ダム完成のあかつきにはダム湖の底に沈む街、長野原・吾妻（あがつま）の写真と「今しか見れない景色です」のコメントがずっとひっかかっていた。

今日まで行かなかったわけだから、当時の自分にはすぐにでも出かけるほどには刺さらなかったのだろう。しかし、月日が経ちその間に見聞、経験したいろいろが自身の環境に対する考えや里山、里川、渓流、自然への考えを形成して、この時代にこれからダムに沈むという街、景色をどうしても見ておきたくなったのだ。

そんな自分の思いつきに同行してもらうのは茅ヶ崎のkenさん。

待ち合わせ場所はお互いの出発点と目的地を考えて、関越の嵐山（らんざん）PAにAM8:30集合の約束をした。

私は環八を北上して練馬ICから関越というルート。AM7時で環八は渋滞。

AM8:15に嵐山PAに到着。いつもどおり先に到着していたkenさんが出迎えてくれた。

去年の秋以来なのでお互いの近況やマシンの調子、今日のルートについてをコーヒーを飲みながら。

ゆっくりと流れる休日の朝の時間が心地いい。

まずは渋川伊香保ICを目指す。

GUMさんに事前に八ッ場ダムにツーリングに行く旨を伝えたら、いくつかおすすめの道を教えてもらったので、そのルートを軸にプランを立てた。

GUMさんも一緒に行けるかなと淡い期待をしていたが、流石に連絡が直前すぎて予定が合わず。。

伊香保温泉から北上して北榛名山林道を走りたかったのだが、入り口を見つけられず榛名湖まで行ってしまい、裏榛名で北上。

例のマンガの聖地のひとつだけあって道路はそれらしいタイヤ痕がいたる所にあり、夜は別の表情を持った場所なんだろうなあ。なんて考えながら山登り。

頂上付近は少し肌寒いぐらいで、エンジンは気持ちよく回り久しぶりにバイクを走らせる楽しさを味わう。

バックミラーに映るkenさんもヒラヒラと転回してて楽しそう。

愛用の2010年版ツーリングマップルには載っていない道が出現してきたので、お目当ての八ッ場ダムが近いとわかる。

新しいバイパス、新しい国道、新しい橋、新しい駅、新しい家があり、予想を遥かに上回るスピードでダムが出来上がりつつある。

ダムの底に沈む土地には既に一般車両は入ることができなくなっており、間近で見たいと思っていた景色は遥か上空に架かった立派な橋の上から眺めるしかなかった。

左の写真も下の写真も写真の下2/3はダムに埋まることになる。

きっとGUMさんが連絡くれた時が長野原・吾妻の原風景を間近で見て、手で触れる最後のチャンスだったんだなと橋の上から悔やむも後悔先に立たず。

上空からでも超弩級にデカイとわかる働く車たちがギュンギュンに稼働している。あっという間にこの景色がコンクリートに覆われていくのだろう。

2011年に見た映画180 SOUTHの中でイヴォン・シュイナードが言った「世界中のほとんどの問題は方向転換すれば解決する。欠陥のあるシステ厶を維持する必要は無い。」という言葉を思い出した。

見ておきたかった景色は間近では見れなかった。それでもずっと使われていたのであろう古い橋や道、日本一短い鉄道トンネルなどをダムに沈む前に見れたのはよかったかな。

このままいくと2020年に八ッ場ダムは完成するらしいので、落ち着いた頃にまた訪れてみようと思う。

この後、草津〜野反湖とワインディングを満喫。

GUMさんおすすめの湯の丸高原から小諸ICに抜ける道が最高すぎて疲れも吹き飛ぶと言いたい所だけど、流石に走り過ぎて疲労困憊。

小諸ICからの単調な高速移動の帰路がかなり萎えた。

ハイウェイオアシスで長めに休憩して、最後のひと踏ん張りで帰宅。

■■■6月10日追記■■■

記事をみたGUMさんから立ち入り禁止になる前に訪れた時の写真を送って頂いた。

左の写真は2014年9月24日。黒×青の珍しい組み合わせ。

左の写真は2014年10月。

橋の下のZ1-Rはもう絶対に取ることができない写真

19Lでも20Lでもなく22Lの滅多にお目にかかれないビックタンク。頑張れば24L入るとのこと。ほぼ倍！　このタンクめちゃいいですね！

GUMさん貴重な写真ありがとうございました！！

【data】
総距離：33,652mile
ガス：121-132円/l
ツーリングの距離：320mile(512km)
燃費：22.21km/l