昨夜の酒が残る気怠い起床。
リビングにいくと白馬鑓へバックカントリーに行く準備をする人、50km超のランニングに出かける人など、各々せわしなく準備をすすめている。私もノソノソと旅の準備を始める。
AM9:00、二日酔いもスッキリして準備完了。まずは一路日本海を目指す。
革ジャン、マフラー、冬用グローブの装備だと少し暑いぐらいの陽気。
白馬を出てすぐの県道433の千国街道が、ツーリングマップルのオススメの道になっていたのでR148から左折して入る。車の少ないワインディングがとても心地よい。
途中、雪の無いスキー街の街並みを抜けるのだが、子どもの頃に家族で行ったスキー旅行をフラッシュバックさせる昭和の雰囲気が、哀愁を誘い良い感じだ。
千国街道の終点で撮ったのが上の写真。山あいに延びてくnobodyなR148のゆるいRが心を弾ませる。
トンネルの冷気でエンジンは絶好調。
覆道(スノーシェッド)の隙間から、満開の桜、大糸線の単線、渓谷と心を満たす光景が次々に飛び込んでくる。
袴石という大きな石が国道脇に鎮座する場所の手前で対向車が何台もパッシングをくれた。モトクロスのバイクにいたっては右手を大きく広げ手の平を私に向けて合図をくれた。
お礼の手を挙げて速度を緩めると、ネズミ取り。先頭を走っていたのであの合図はありがたかった。
2009年は、この国道を逆方向から走った。その時に、
地名は分からないが街全体がノスタルジックな雰囲気に包まれた海沿いの集落がいい感じだった。
と、綴った印象深い場所があって、今回立ち寄って見たいと思っていた。
それが写真の市振という場所。
町全体が黒光りした屋根瓦で統一されていて良い雰囲気。国道から街並みに入ってみる。
家の前で洗車をしている同い年ぐらいの方がいたので、
屋根瓦の色が統一されているのは何か条例でもあるのかと聞いてみたら、特に無いとのこと。
「美しいですね」と伝えると、「ありがとう。僕もそう思う」と返答。
なんかいい会話だ。旅はいいなあ。一人旅はこういう時、特にいい。
ダラダラと続くR8は退屈な道だが、左手には北アルプスがドーンと構えているのが救い。
代掻き(田植え前の整地作業)をしている田んぼに北アルプスが映っているのが見えて、寄り道してみた。
正午を回ってお腹が空いてきたので、ツーリングマップルのオススメの道を通り富山駅で腹ごしらえ。
車の多い市街は暑い。革ジャンと冬用グローブを括り付けてスウェットと夏用グローブで走る。快適。
R41を南下して高山方面を目指す。
神通峡に入った辺りが理想的な道だった。
護岸工事のされていない川幅の広い神通川沿いは野趣あふれる大好きな景観。
カヌーで川下りをしている人がいて、いつかそれをメインに再訪したいと思う。
神岡にスーパーカミオカンデ関連の展示があるとのことでR471に入り寄り道。
2009年の旅を一緒に行ったakbが、航空宇宙工学を専攻していて、ニュートリノについてアツく語っていたのを思い出し寄ってみたが、あの時と同様に私にはまったく刺さらなかった。笑
R471をUターンしてR41に戻る。
日が暮れる前に余裕を持ってテントを設営したかったのでキャンプ場へ。
自分のバイクとテントが並んでいる光景は良い。加えてこのキャンプ場は笠ヶ岳が臨めるのが今回の旅の趣旨とばっちりマッチしていて尚良い。
雲が多いのがちと残念ではあるが。
さあ、独りの夜の始まり。
温泉あとに冷えたビールをあおり、ゆっくり流れる時間に身を任せる。
目の前にはバイクと笠ヶ岳。
簡単な料理を作り独り酒。これはこれで良いものだと思えるようになったのは、東北の一人旅からの進歩かな。笑
ヘッデンを付けて、ウイスキーのお湯割りを。
ここは、すごく静かで少し寒い。
昨日と打って変わっての静寂が、独り旅の心地よさを増幅させる。
本当は月明かりに浮かび上がる、北アルプスとバイクとテントと星空を長時間露光で写真に収める試行錯誤をしたかったのだが、厚い雲に覆われていて断念。
今日のルートを反芻したり明日のルートを計画していたら、あっという間に眠気が襲ってきてテントにもぐり込んだ。
3日目につづく
(3日目の記事:北アルプスを巡る旅(3/3))
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